大変!パパが認知症になっちゃった!

認知症とはなんぞや?パパと一緒に日々新しい発見。

実は進行してない?!こちらの認識不足かも?

高熱が出て週っ末寝込んでしまった。
 
先週は、パパのコンディションが目まぐるしく変わって、
どんどん進んでいくような気がして、
いてもたってもいられなくて、
いろんな人の話を聞いたり、良いと思われるものはなんでも取り寄せたり、
予定を詰め込めるだけ詰め込んで、あらゆる手を尽くしたくて、
そしてダウンしてしまった。
体が先に強制終了ね。
 
そして本日5日ぶりに実家。パパの様子が気になる。
 
パパ「おっ、元気そうだな」
私「元気よ!パパも元気そうね。」
パパ「そりゃ〜そうだよ!」
他愛もない会話。よかったよかった。
とにかく笑顔。
 
パパは、本能的な感性が恐ろしく鋭くなっているので、
本物の笑顔か、作り物か、すぐに見分ける。
パパがニコニコしているので、私の笑顔が本物と分かったみたい。
ひとまず良かった。
 
ほっとするのも束の間、食卓につくと、ママがいきなり
「私のこと、男の人っていうのよ!怒」
と相変わらずパパの言葉に目くじらを立てる。
パパが言葉を間違えているだけなのにプリプリ怒っている。
頼むよ、ママ〜。
 
まだ時間が夕方の早い時間だったので、パパの頭の中がどう変わっていくのか、
今日は観察してみることにする。
 
食事の時は、ちょっと混乱気味だった。
いつもなら普通にお箸を持って食べるのに、持ち方が分からなくなってしまったらしい。
 
パパ「これどうやって使うのかな。結構難しいぞ」
 
ちょっと使い方を見せてみたのだけど、自分の手もとに気を取られている。
どうやらプチパニックをしていみたい。
 
いつもより混乱して見える。
それをしばらく静観。
 
パパは律儀な人なので、あまり美味しいと自分が思わないものでも、
お皿に取った分は「美味しい」と言ってきれいに食べる。
 
会話中は、やっぱりママのことが知らない人になっている。
私のこともわからない時が混ざる。結構神経使って緊張してるんだろうな。
 
食事が終わってからもしばらく混乱。
すると祖母の話題に。
 
祖母はパパのお母さんなので、記憶の中では絶対。
目の前の私たちがよく知らない誰かの時は、祖母がどこにいるのかと
聞いてくる。
実際近くに住んでいて元気。2日前にも会っているのだけど、
本当に健康で無事かどうか、気になるらしい。
私たちがいくら2日前にあったと言っても、納得しない。
 
携帯電話は出ないので、連絡できないし、どうしていいのか途方に暮れる。
 
ママも私も携帯を握りしめてオタオタ。
するとママのスーパーアイディアがいきなり下りてくる。
 
「フラ子に管理人さんのふりしてもらって、パパと話してもらうわ」
やるじゃん、ママ!
ママの古いお友達で、介護の大先輩フラ子おばちゃま。パパとはよく電話でしゃべるらしい。
 
ママ「パパ、ちょっと管理人さんが出ているから話してくださる?
パパ「くじらでございます。いつも母がお世話になっております。・・・あっ、もう休んでいますか。わかりました。明日行きます。
 
しばらく管理人さんに扮したフラ子おばちゃまと話して、大納得して電話を切るパパ。
 
「おふくろもう寝ちゃったらしい」
 
緊張が緩んで万面の笑み。自分のお母さんの無事がわかって心底ほっとしたみたい。
 
すると、パパはママのことも、私のことも、普通に認識し出して、いきなり普通に戻る。
 
私の見立てだと、昼間にママとパパは出かけていろいろなところに行っていたので、パパの脳はすでに夕方の時点でショート寸前だったのかもしれない
 
食事の時にいつもより混乱していたのは、お昼の過活動(脳を使うという意味の)だったのでしょう。
さらに、パパの世界では、ママと私が認識できないと、知らない人たちとご飯を食べている状態になり、気を使って緊張していることになる。
 
そうすると、「お母さんはどこだろう」とつながってくのではないだろうか。
 
お母さんの無事を家族ではない第三者から聞いたことで、緊張がほぐれて
元の状態に戻ったのは、嬉しかった。
脳神経のネットワークがちょっとした事で繋がることが分かったから。
 
パパの世界を理解することは難しいけれど、所詮他人の頭の中なんで
普通でもわからないわけだから、あまり難しく考えない方が得ね。
 
祖母が元気でいることが分かった時の嬉しそうなパパの顔、忘れられないな〜。