すべて決めるのはママ。
最近パパは、「うちに帰る」と言わなくなった。
つい3週間くらい前は、「ここがうちなのよ」とママが言っても、
絶対に違うといってかなり荒れていた。
原因は、リビングから見える景色が激変してしまったから。
以前は、森のようにたくさん木が見えていたのに、台風で折れてしまったので
全部切られてしまった。
パパの症状は、このことを発端に一気に進んでしまった。
見える景色があまりにも変わってしまい(とはいっても、とても見晴らしはいいのだけど)、自分のうちと認識できなくなってしまったの。
それでも、根気強くママと私と「ここがうちよ」と言い続けていたら、
納得してくれるようになった。
もちろん本当に納得しているわけではないと思うけど。
ずっと言い続けていると、ちゃんと脳に記憶として定着する。
認知症であっても、脳は機能しているのだ。
パパのことに関しては、一切の決断をママがする。
私はどこまでも、ママのサポート。
パパの介護認定を取るとか、いろんなことがたくさんあるのだけど、
私は情報を提供するだけ。
そこからどうしていくかを決定するのはママ。
パパが認知症になってしまったのは、すごく残念だけど、
そんなことは言っていられないほど日常は現実。
日々刻々と状況は変わる。進んだかな、と思うことも、
改善してるかも!と思うことも。
私がもっとできることもあるかもしれないけど、これはパパとママの物語の最終章。
私は立ち入ってはいけないのだと思う。
だからどんなこともパパに関してのことを決めるのはママ。