認知症の第一人者が認知症になった(NHKスペシャル)
長谷川メソッドを提唱した認知症の第一人者長谷川先生のことを一年間追った番組。
パパがどんなことを思っているのか、何がしてもらいたいのか、心の中を知れたら。
認知症の人の心の中を理解するためのヒントがたくさんありました。
自分がどこにいるのか、いつなのか、わからない、はっきりしないことがあり、すべてが不安になってしまう。
何度も何度も同じことを聞いていると、周りが迷惑がるから、言っていいのか、言ってはいけないのか、不確かになり寡黙にならざるを得ないのだそう。
壊れていきつつあることが、感覚で分かっている。
生きているうえでの「確かさ」というのが薄くなってしまうのだとか。
さぞかし不安だろうな。
長谷川先生の日記の下りに、その解決策が記されていました。
『言葉を交わすこと。』
「僕の体や精神、心のすべてに瑞子がいてれる。こんな感覚は初めてだ。いつも瑞子と共にいる感じだ。幸せだと思う。
朝起きると、今日は何をするのかな、俺はどこにいるのかな、自分の在り方がはっきりしない。
彼女が言葉を交わしてくれる。
「おはよう。調子はどう?よく練れた?」とお互いに声を掛けあっていると、大丈夫なんだなと思って、不安が薄れていって、確かさが戻ってくる。」
パパは最近になって「俺はかあさんがいて、幸せだ」と言っているのを何度か聞いたことがある。ほんとかな~と思ったけど、本当なのかもね。
声掛けることは、認知症の人の不安を取り除くのにとても大切なんだなと、長谷川先生の生の声でよくわかりました。
「毎日一つ一つのことに笑っていくことが大切だと思います。」
「認知症になっても、見えている景色はかわらない」
そう、パパの見えている景色は、認知症だからと言って変わっているとは私も思わない。
パパは赤い花を見れば、きれいだときれいだと言って愛でている。
漠然とわからなくなっていく不安はあると思う。
それでも、その中で、一緒の時間を過ごして、話をして、
不安が薄くなっていくことがあるならば、それは
素晴らしい事なんじゃないかしら。
パパは最近弱音を吐くようになった。
前は絶対に言わなかったのに。
もしかしたら、もっとパパが楽になるチャンスかも。